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ノーベル文学賞に中国人の莫言氏 賛否両論

2012年10月12日
【新唐人2012年10月13日付ニュース】中国の作家・莫言(ばく げん)氏が2012年のノーベル文学賞に選ばれ、中国籍作家による初の受賞者となりました。中国国内ではメディアによって大きく取上げられていますが、民間では同氏は体制寄りの作家だとの批判の声も聞かれ、賛否両論です。
 
莫言氏の受賞に対し、中国の禁書作家で友人である閻連科(えん れんか)さんはお祝いの言葉を述べます。
 
中国禁書作家 閻連科さん
「ノーベル賞を莫言に与えたことは莫言の作品に対する評価と表彰だけでなく、中国文学への評価でもあります」
 
今回受賞のきっかけを作った作品は、2009年に発表した「蛙」。中国共産党の一人っ子政策の残酷さを描いています。この小説を読んだことのある北京の作家・鉄流(てつりゅう)さんは、小説は人間性と共産党の党性との矛盾を描いていると述べます。
 
北京の作家 鉄流さん
「特に一人っ子政策では妊娠9ヶ月でもおろさないといけない、彼らにはノルマがあるので、医者も苦しいのです。中絶させないといけません。計画生育弁公室主任も難しく、人間性と党性の矛盾を表現しています。最終的には党性に服従するのです」
 
莫言氏の受賞は中国でも議論を呼んでいます。体制寄りの“紅色作家”であるとの批判もあり、政府系作家協会の副主席の身分を持っているだけでなく、更には中国で作家が弾圧されるきっかけとなった毛沢東の延安(えんあん)文芸座談会での講話を書き写したこともあると指摘されています。今回の受賞は共産党当局の支持があったのではと、疑う声さえ聞かれます。
 
北京の作家 鉄流さん
「彼は政府側の人であり、作家協会の副主席です。もう一つの問題はノーベル賞を彼に与えたのは中国との関係修復が目的なのではとの疑問です」
 
独立ライターの龔道軍も文章を発表し、“もし莫言氏がノーベル賞を受賞したら、きっとノーベル選考委員会の委員たちの頭がおかしいに決まっている。ノーベル文学賞もこれによって台無しだ”と批判しています。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
 
(翻訳/坂本 ナレーター/大口 映像編集/工)
 
 

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